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『THIS IS IT』 [視ること]
観てきました。マイケル・ジャクソン最後の日々を……。

新宿ピカデリー初日2回目・21:30の回もチケットはソールド・アウト。予告編が終わり、ついに上映スタートを迎えたそのとき、客席からは拍手が響きました。まだ作品を観てもいないのに、と少し面食らったけど、それぐらい待ち兼ねられた特別な映画だってことですね。
で、実際、想像以上に素晴らしい出来の映画でした。
“THIS IS IT”というのは、元々はこの夏行われるはずだったロンドン公演のタイトル。とっても自信たっぷりなその名にふさわしい、マイケルのすべての力を見せつけるようなステージの内容は、リハーサル光景にも刻まれていました。とにかく完璧。マイケルは、歌はセーブしているところもあるけれど、ダンスに関してはまったく衰えが見られない。彼の半分ぐらいの年齢のダンサーたちを率いて、誰よりもシャープな踊りを見せる。驚きだった……。実は彼の訃報を聴いたとき、もしかしたらロンドン公演の重責に耐えかねたのかも……、という考えが少し頭をよぎってた。
でもそれはもちろん大きな間違いだった。スクリーンの中のマイケルの、なんて生気に満ちていること! 顔がやせていて、サングラスをかけるとちょっとガイコツのように見えてドキリともするのだけど、まあ絶対に50歳には見えない。溌剌とした青年で、まわりにいる人たちもドキドキ興奮で輝かせていく、すごいパワーを持っていた。
このあと待ち受ける運命など知らずにね……。ああ、切ない。
演出も最高だ。使い回しなんてひとつもない。最新の技術を駆使して、お客を驚かせ喜ばせようというエンターテインメント精神に満ち溢れてた。迫力のダンスも、バンドの演奏もすごいけど、映像の凝りようが本当に素晴らしくて。ボギーと共演する「スムーズ・クリミナル」、3D撮影でゾンビの結婚式を描く「スリラー」、そしていちばん衝撃的だったのが、メッセージ色の強い「アース・ソング」の映像でした。地球を守れ!という大きく真剣な愛情に胸が詰まった……。彼の死は、地球と人類にとって、すごい痛手なのかもしれないな、とまで思う……。
そんなふうに、今まで見えてこなかったマイケルの素の人柄が伝わってきたのが嬉しい収穫だったこの作品。
ステージに関しては、本当に完璧主義だ。とことんリハーサルを繰り返し、モンスター級のステージを掌握しようと懸命。いらだちも見せるけれど、「怒ってるんじゃないよ、愛だよ。L-O-V-E」ととってもジェントルなのよねぇ。
そしてすっごくフレンドリー。映画の冒頭は、ダンサーたちにマイケル本人がカメラを向け、インタビューをしているシーンから始まる。神様の質問に答える若者たちは、伏し目がちながらも上気して嬉しそうで、リハーサルの間も、とにかくマイケルのそばにいられることが楽しくてしょうがないように、のびのびとハッピーな笑顔を見せる。
なんで奇人のイメージが付いてしまったのか、彼の不遇さを憎みたいよ。でき過ぎぐらいの人なのに。
つくづく、このステージの本番が見たかった。客席が埋まり、熱気と歓声に溢れ、マイケルもほかの出演者もパワーを炸裂させ……、本当に息を吹き込まれたステージが、また日を重ねるごとに、さらに変容していくところを見たかった。
だけど、彼はそれを完全になし得たはず。そんな確信を抱かせてくれるこの作品は、悲しみに暮れるファンへの極上のプレゼントだ。

終映時間が遅いため、クレジットの途中で席を立つ人が結構いたのが残念でしたが、名残を惜しむように最後まで映像が用意されているので、ぜひ見届けてくださいね!
そして最後にも、また拍手が巻き起こるのでした……。
R.I.P. MJ!

新宿ピカデリー初日2回目・21:30の回もチケットはソールド・アウト。予告編が終わり、ついに上映スタートを迎えたそのとき、客席からは拍手が響きました。まだ作品を観てもいないのに、と少し面食らったけど、それぐらい待ち兼ねられた特別な映画だってことですね。
で、実際、想像以上に素晴らしい出来の映画でした。
“THIS IS IT”というのは、元々はこの夏行われるはずだったロンドン公演のタイトル。とっても自信たっぷりなその名にふさわしい、マイケルのすべての力を見せつけるようなステージの内容は、リハーサル光景にも刻まれていました。とにかく完璧。マイケルは、歌はセーブしているところもあるけれど、ダンスに関してはまったく衰えが見られない。彼の半分ぐらいの年齢のダンサーたちを率いて、誰よりもシャープな踊りを見せる。驚きだった……。実は彼の訃報を聴いたとき、もしかしたらロンドン公演の重責に耐えかねたのかも……、という考えが少し頭をよぎってた。
でもそれはもちろん大きな間違いだった。スクリーンの中のマイケルの、なんて生気に満ちていること! 顔がやせていて、サングラスをかけるとちょっとガイコツのように見えてドキリともするのだけど、まあ絶対に50歳には見えない。溌剌とした青年で、まわりにいる人たちもドキドキ興奮で輝かせていく、すごいパワーを持っていた。
このあと待ち受ける運命など知らずにね……。ああ、切ない。
演出も最高だ。使い回しなんてひとつもない。最新の技術を駆使して、お客を驚かせ喜ばせようというエンターテインメント精神に満ち溢れてた。迫力のダンスも、バンドの演奏もすごいけど、映像の凝りようが本当に素晴らしくて。ボギーと共演する「スムーズ・クリミナル」、3D撮影でゾンビの結婚式を描く「スリラー」、そしていちばん衝撃的だったのが、メッセージ色の強い「アース・ソング」の映像でした。地球を守れ!という大きく真剣な愛情に胸が詰まった……。彼の死は、地球と人類にとって、すごい痛手なのかもしれないな、とまで思う……。
そんなふうに、今まで見えてこなかったマイケルの素の人柄が伝わってきたのが嬉しい収穫だったこの作品。
ステージに関しては、本当に完璧主義だ。とことんリハーサルを繰り返し、モンスター級のステージを掌握しようと懸命。いらだちも見せるけれど、「怒ってるんじゃないよ、愛だよ。L-O-V-E」ととってもジェントルなのよねぇ。
そしてすっごくフレンドリー。映画の冒頭は、ダンサーたちにマイケル本人がカメラを向け、インタビューをしているシーンから始まる。神様の質問に答える若者たちは、伏し目がちながらも上気して嬉しそうで、リハーサルの間も、とにかくマイケルのそばにいられることが楽しくてしょうがないように、のびのびとハッピーな笑顔を見せる。
なんで奇人のイメージが付いてしまったのか、彼の不遇さを憎みたいよ。でき過ぎぐらいの人なのに。
つくづく、このステージの本番が見たかった。客席が埋まり、熱気と歓声に溢れ、マイケルもほかの出演者もパワーを炸裂させ……、本当に息を吹き込まれたステージが、また日を重ねるごとに、さらに変容していくところを見たかった。
だけど、彼はそれを完全になし得たはず。そんな確信を抱かせてくれるこの作品は、悲しみに暮れるファンへの極上のプレゼントだ。

終映時間が遅いため、クレジットの途中で席を立つ人が結構いたのが残念でしたが、名残を惜しむように最後まで映像が用意されているので、ぜひ見届けてくださいね!
そして最後にも、また拍手が巻き起こるのでした……。
R.I.P. MJ!
人の映画評を笑うな!!! [映画のこと]
この6月からわたなべりんたろうさんが講師を務める文章講座に通っていました。
巴里映画主催の「映画評論家と作る映画評論ニューメディア」という講座で、フリーペーパーとウェブから作品を発信していくことを目標とした実践的なものです。
そしてこのほど両方とも完成しましたので、宣伝をば。
題して「人の映画評を笑うな」! はい、ノリで付けたパクりタイトルですw
「映画評」と書いて「レビュー」と読ませます。「人レビ」の通称で親しんでいただければと……。

私が作成を担当したのはフリーペーパーのほう↑
A3の用紙を8つ折り(はがき大)にしたとってもシンプルなものです。紙の選択をちょっと間違え(厚過ぎたわ)、レイアウトもずれたりして、手作り感があふれるものになっておりますが、中身はがんばってますから!
講座の課題で書いた1200字のレビュー6本が載ってまして、コンパクトな割には読みであると思います。
ちなみに私は『ホット・ファズ』と『トゥモロー・ワールド』書いてます。
でもって今のところ私が把握している配布場所は以下となっております。見かけたらぜひ手に取って、笑わず読んでくださいね。
【映画館】
・アップリンク〈渋谷〉
・早稲田松竹(高田馬場)
・バウスシアター(吉祥寺)
・ラピュタ阿佐ヶ谷
【飲食店】
・Bar Isshee(渋谷)
【CDショップ】
・タワーレコード渋谷店
【その他】
・apish(原宿・美容院)
また、ウェブのほうもオープンしたので、こっちはぜひみなさん気軽に覗いてみてくださいね!
http://hitorevi.suki-ari.net/index.html
個性派4人でがんばっとります。 私の書いた『断絶』評などなどお読みいただけます。
ちなみにフリペの表紙も『断絶』の画像を使ってるのでした。
これからもがんばっていきたいと思います。
ご意見・ご感想などお寄せいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いしまーす!!!
今日は早稲田松竹とラピュタ阿佐ヶ谷をハシゴ。フリペを置かせていただきつつ、名画の鑑賞してきました。
早稲田松竹ではダニー・ボイル特集。公開から時間が経っているとはいえ『スラムドッグ$ミリオネア』はさすがオスカー受賞作、超満員だった。
『トレインスポッティング』は久びさに観たけど、映像もストーリーもあんまり古くなってない気がする。不景気進んで、今の方がもっと悲惨なのかな。まーでも今でも十分カッコよくておもしろかった!
早稲田松竹は、10/31~11/6が横浜聡子、11/7~11/13がビクトル・エリセと、見逃せない特集続きます。
ラピュタ阿佐ヶ谷では「俳優 佐藤慶」という特集上映開催中。で、増村保造監督、勝新太郎主演の『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』というのを観たのだけど、げ、めちゃめちゃおもしろかった!
勝新が絶倫の奉行所同心、劇画が原作でエロと拷問に満ちた、グラインドハウス時代劇!?
めっちゃ掘り出しものでした~。楽しい出会いがたくさんある名画座ラヴ。

人レビ@早稲田松竹
巴里映画主催の「映画評論家と作る映画評論ニューメディア」という講座で、フリーペーパーとウェブから作品を発信していくことを目標とした実践的なものです。
そしてこのほど両方とも完成しましたので、宣伝をば。
題して「人の映画評を笑うな」! はい、ノリで付けたパクりタイトルですw
「映画評」と書いて「レビュー」と読ませます。「人レビ」の通称で親しんでいただければと……。
私が作成を担当したのはフリーペーパーのほう↑
A3の用紙を8つ折り(はがき大)にしたとってもシンプルなものです。紙の選択をちょっと間違え(厚過ぎたわ)、レイアウトもずれたりして、手作り感があふれるものになっておりますが、中身はがんばってますから!
講座の課題で書いた1200字のレビュー6本が載ってまして、コンパクトな割には読みであると思います。
ちなみに私は『ホット・ファズ』と『トゥモロー・ワールド』書いてます。
でもって今のところ私が把握している配布場所は以下となっております。見かけたらぜひ手に取って、笑わず読んでくださいね。
【映画館】
・アップリンク〈渋谷〉
・早稲田松竹(高田馬場)
・バウスシアター(吉祥寺)
・ラピュタ阿佐ヶ谷
【飲食店】
・Bar Isshee(渋谷)
【CDショップ】
・タワーレコード渋谷店
【その他】
・apish(原宿・美容院)
また、ウェブのほうもオープンしたので、こっちはぜひみなさん気軽に覗いてみてくださいね!
http://hitorevi.suki-ari.net/index.html
個性派4人でがんばっとります。 私の書いた『断絶』評などなどお読みいただけます。
ちなみにフリペの表紙も『断絶』の画像を使ってるのでした。
これからもがんばっていきたいと思います。
ご意見・ご感想などお寄せいただけたら嬉しいです。
よろしくお願いしまーす!!!
今日は早稲田松竹とラピュタ阿佐ヶ谷をハシゴ。フリペを置かせていただきつつ、名画の鑑賞してきました。
早稲田松竹ではダニー・ボイル特集。公開から時間が経っているとはいえ『スラムドッグ$ミリオネア』はさすがオスカー受賞作、超満員だった。
『トレインスポッティング』は久びさに観たけど、映像もストーリーもあんまり古くなってない気がする。不景気進んで、今の方がもっと悲惨なのかな。まーでも今でも十分カッコよくておもしろかった!
早稲田松竹は、10/31~11/6が横浜聡子、11/7~11/13がビクトル・エリセと、見逃せない特集続きます。
ラピュタ阿佐ヶ谷では「俳優 佐藤慶」という特集上映開催中。で、増村保造監督、勝新太郎主演の『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』というのを観たのだけど、げ、めちゃめちゃおもしろかった!
勝新が絶倫の奉行所同心、劇画が原作でエロと拷問に満ちた、グラインドハウス時代劇!?
めっちゃ掘り出しものでした~。楽しい出会いがたくさんある名画座ラヴ。
人レビ@早稲田松竹
『アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~』 [視ること]
10月20日、Zepp Tokyoでの試写会で観ました。
キアヌ・リーヴス、マイケル・ムーアら映画界の有名人が熱烈に応援しているとのことで、日本でも公開前から音楽ドキュメンタリーとしては異例の盛り上がりを見せている作品。
この試写会も襟川クロが仕切り、長瀬智也が映像で応援(長い)、とかなり華やかに盛り上げながら行われました。ライヴハウスなので爆音で体感できるし、この映画が大事にされてることがここからも伝わってきた。

映画はこの日本で84年に開催された「スーパーロック'84イン・ジャパン」というフェスから幕を開けます。ホワイトスネイクやマイケル・シェンカー・グループなんかの大物に交じり、アンヴィルはまだ新進バンドといったポジションだったけど、ハジけまくりの演奏は堂々としたもの。ヴォーカル/ギターのリップスはボンデージな衣装に身を包んで挑発的な笑顔を振り撒きながら、バイブで狂ったようにギターを鳴らす。客もノリノリだし、メタリカのラーズとかスラッシュとか、そうそうたるミュージシャンたちが、いかにアンヴィルの登場が衝撃的であったかを語るコメントも差し挟まれて、彼らには輝かしい前途が開けているべきだったのに……。
次のシーンは現在のカナダ。肌のハリもすっかりなくなったリップスが車を走らせるその先にあるのはケータリング会社だ。デビュー以来、どこをどう間違ったか資質はありつつ鳴かず飛ばずだった彼らは、地道に働きながらそれでもバンド活動は続けている。
小さいクラブでギグをすれば、昔からのファンがそれは夢中でこぶしをかざす。売れて鼻高々になったりして、彼らから遠い存在にならなかったのはすごい財産だと思うのだけど……、しかし30年っていう歳月が実を結んでこなかったっていうのは不幸だよなあ。普通の人の人生にはいくらでも転がっていることだろうけど、こうして見せられると本当に悲壮で残酷。
ヨーロッパツアーが決まったと言って嬉々として旅立っても、最悪なマネージャーのせいで電車に乗れなかったり、告知がされず客がいなかったり。ギャラもきちんと払われず、疲弊して、それでも活動せず忘れられていくよりはいい、とそんな現状にしがみ付く彼ら。本当にバンドが好きなんだよね。そしてそんな彼らを支えてくれる家族の愛情にも泣かされる。もう終わってる、と思いはしても、もしかしたらの希望を一緒に抱いて歩んでくれる、掛け値なしの信頼と愛情って、本当に素晴らしい。
ツアーは最悪だったけれど、彼らはやっと一念奮起。出会った弁護士にマネージャーがダメだ、と言われたことも効いたようだし、あとはもちろんこの映画の監督のサーシャ(16歳のときに彼らのローディをやってた)と再会し、撮影がスタートしたってことがもちろん大きいんだろう。彼らが動きさえすれば支えてくれる人たちはいるのだ。自信を持ち始めた彼らは、金をかき集めて腕のいいプロデューサーと組みCDを作り、プロモーションも積極的に行うようになる。レコード会社に「今どきこの音は……」と厳しいことを言われても、真摯に耳を傾け、その中から自分たちの売りはずっと続けてきたことだ!とアドバイスを掬い取る。ドラムのロブの冷静さが頼もしい。永遠のロック小僧って感じのリップスのいい女房役だ。
すごくハラハラしたシーンがあった。レコーディングの途中、高揚するリップスは落ち着き払ったロブがどうにも我慢ならなくなったらしく、八つ当たりを始めるのだ。ロブも彼の元を去ろうとして、どうなるの?と心配になるけれど……、こんなのもう彼らにとっては30年もやり続けている日常茶飯事なんだよね。悪かったと抱き合う姿に絆の強さを見せ付けられて胸が熱くなる。こうやってたくさんの苦労を乗り越えてやってきたんだね。
最高なCDはできたものの、それをレコード会社に聴いてもらうっていうのも本当に大変なことで、音楽業界で生きていくには、運や巡り合わせによるところも本当に大きいんだということを思い知らされる。
50過ぎたバンドが今から芽を出すなんて……、とこちらまで悲観的になってきたところで、日本から夢のようなオファーが舞い込む。ラウドパーク'06への出演依頼だ!
……でも喜び勇んで来たものの、84年のイベントと同じく1番手で登場だということを知って不安になる彼ら。この広い会場が埋まるのか……、ああ、サスペンス。
でもステージに上った彼らが見たのは、それまで体験したこともない大観衆だった! きゃあ~、この長い道のりを見てきたら、これが彼らにとってどれほど感動的なものであるかがまるで自分のことのように感じられて、鳥肌立てて喜びました。日本人ファンの笑顔もなんてあったかなんだろう!誇らしいよ!
彼らが30年を経てこんな脚光を浴びたのも、巡り合わせのたまものではあると思うけど、とにかく続けてこなけりゃ起こらないこと。
そして、ミッキー・ロークの『レスラー』もあったけれど、不遇な時期があったからこその奇跡みたいな逆転ってのもある。ボロボロになっても、生き恥と思っても(そこまでは彼らに失礼か)、生きていかなけりゃあな~! 観る人もリアルに自分を重ねて励まされるのだ。
作品に大感動したあと、この日の試写会では素晴らしいサプライズが。
エンドロールが終わろうか、ってときにスクリーンが上がり、本物のアンヴィルの演奏が!!!
出るとは噂で知っていたけど、この映画を観た後で、お客を盛り上げ嬉々として演奏する彼らを見るのは、映画の中に入り込んだみたいで夢みたいな体験でした。“Metal On Metal”を演奏。Keep On Rockin'!!!
日本で始まり日本で終わる、日本人冥利に尽きるような映画だったわけだけど、リップスはこのときも「日本人はヒーローだ」と言ってくれました。あながちリップサービスでもないんだろうな。この前日、なんとリップスがひとりでセンター街に呆然とたたずんでたのを目撃したっていう知人がいて、何してたんでしょうねえ、と思っていたけど、日本を自分の原点のように思ってくれていて、戻ってこれたことの感慨に耽っていたのかもしれないな、と映画を観たら思いました。
ホント日本のファンの熱気はすごかった。で、熱いコールに応えて予定にないアンコールまでしてくれたよ! 最高に楽しい試写会だった。
でもっていよいよ明日が公開初日。この感動がどこまで波及していくのか……、すごく楽しみだ♪
キアヌ・リーヴス、マイケル・ムーアら映画界の有名人が熱烈に応援しているとのことで、日本でも公開前から音楽ドキュメンタリーとしては異例の盛り上がりを見せている作品。
この試写会も襟川クロが仕切り、長瀬智也が映像で応援(長い)、とかなり華やかに盛り上げながら行われました。ライヴハウスなので爆音で体感できるし、この映画が大事にされてることがここからも伝わってきた。

映画はこの日本で84年に開催された「スーパーロック'84イン・ジャパン」というフェスから幕を開けます。ホワイトスネイクやマイケル・シェンカー・グループなんかの大物に交じり、アンヴィルはまだ新進バンドといったポジションだったけど、ハジけまくりの演奏は堂々としたもの。ヴォーカル/ギターのリップスはボンデージな衣装に身を包んで挑発的な笑顔を振り撒きながら、バイブで狂ったようにギターを鳴らす。客もノリノリだし、メタリカのラーズとかスラッシュとか、そうそうたるミュージシャンたちが、いかにアンヴィルの登場が衝撃的であったかを語るコメントも差し挟まれて、彼らには輝かしい前途が開けているべきだったのに……。
次のシーンは現在のカナダ。肌のハリもすっかりなくなったリップスが車を走らせるその先にあるのはケータリング会社だ。デビュー以来、どこをどう間違ったか資質はありつつ鳴かず飛ばずだった彼らは、地道に働きながらそれでもバンド活動は続けている。
小さいクラブでギグをすれば、昔からのファンがそれは夢中でこぶしをかざす。売れて鼻高々になったりして、彼らから遠い存在にならなかったのはすごい財産だと思うのだけど……、しかし30年っていう歳月が実を結んでこなかったっていうのは不幸だよなあ。普通の人の人生にはいくらでも転がっていることだろうけど、こうして見せられると本当に悲壮で残酷。
ヨーロッパツアーが決まったと言って嬉々として旅立っても、最悪なマネージャーのせいで電車に乗れなかったり、告知がされず客がいなかったり。ギャラもきちんと払われず、疲弊して、それでも活動せず忘れられていくよりはいい、とそんな現状にしがみ付く彼ら。本当にバンドが好きなんだよね。そしてそんな彼らを支えてくれる家族の愛情にも泣かされる。もう終わってる、と思いはしても、もしかしたらの希望を一緒に抱いて歩んでくれる、掛け値なしの信頼と愛情って、本当に素晴らしい。
ツアーは最悪だったけれど、彼らはやっと一念奮起。出会った弁護士にマネージャーがダメだ、と言われたことも効いたようだし、あとはもちろんこの映画の監督のサーシャ(16歳のときに彼らのローディをやってた)と再会し、撮影がスタートしたってことがもちろん大きいんだろう。彼らが動きさえすれば支えてくれる人たちはいるのだ。自信を持ち始めた彼らは、金をかき集めて腕のいいプロデューサーと組みCDを作り、プロモーションも積極的に行うようになる。レコード会社に「今どきこの音は……」と厳しいことを言われても、真摯に耳を傾け、その中から自分たちの売りはずっと続けてきたことだ!とアドバイスを掬い取る。ドラムのロブの冷静さが頼もしい。永遠のロック小僧って感じのリップスのいい女房役だ。
すごくハラハラしたシーンがあった。レコーディングの途中、高揚するリップスは落ち着き払ったロブがどうにも我慢ならなくなったらしく、八つ当たりを始めるのだ。ロブも彼の元を去ろうとして、どうなるの?と心配になるけれど……、こんなのもう彼らにとっては30年もやり続けている日常茶飯事なんだよね。悪かったと抱き合う姿に絆の強さを見せ付けられて胸が熱くなる。こうやってたくさんの苦労を乗り越えてやってきたんだね。
最高なCDはできたものの、それをレコード会社に聴いてもらうっていうのも本当に大変なことで、音楽業界で生きていくには、運や巡り合わせによるところも本当に大きいんだということを思い知らされる。
50過ぎたバンドが今から芽を出すなんて……、とこちらまで悲観的になってきたところで、日本から夢のようなオファーが舞い込む。ラウドパーク'06への出演依頼だ!
……でも喜び勇んで来たものの、84年のイベントと同じく1番手で登場だということを知って不安になる彼ら。この広い会場が埋まるのか……、ああ、サスペンス。
でもステージに上った彼らが見たのは、それまで体験したこともない大観衆だった! きゃあ~、この長い道のりを見てきたら、これが彼らにとってどれほど感動的なものであるかがまるで自分のことのように感じられて、鳥肌立てて喜びました。日本人ファンの笑顔もなんてあったかなんだろう!誇らしいよ!
彼らが30年を経てこんな脚光を浴びたのも、巡り合わせのたまものではあると思うけど、とにかく続けてこなけりゃ起こらないこと。
そして、ミッキー・ロークの『レスラー』もあったけれど、不遇な時期があったからこその奇跡みたいな逆転ってのもある。ボロボロになっても、生き恥と思っても(そこまでは彼らに失礼か)、生きていかなけりゃあな~! 観る人もリアルに自分を重ねて励まされるのだ。
作品に大感動したあと、この日の試写会では素晴らしいサプライズが。
エンドロールが終わろうか、ってときにスクリーンが上がり、本物のアンヴィルの演奏が!!!
出るとは噂で知っていたけど、この映画を観た後で、お客を盛り上げ嬉々として演奏する彼らを見るのは、映画の中に入り込んだみたいで夢みたいな体験でした。“Metal On Metal”を演奏。Keep On Rockin'!!!
日本で始まり日本で終わる、日本人冥利に尽きるような映画だったわけだけど、リップスはこのときも「日本人はヒーローだ」と言ってくれました。あながちリップサービスでもないんだろうな。この前日、なんとリップスがひとりでセンター街に呆然とたたずんでたのを目撃したっていう知人がいて、何してたんでしょうねえ、と思っていたけど、日本を自分の原点のように思ってくれていて、戻ってこれたことの感慨に耽っていたのかもしれないな、と映画を観たら思いました。
ホント日本のファンの熱気はすごかった。で、熱いコールに応えて予定にないアンコールまでしてくれたよ! 最高に楽しい試写会だった。
でもっていよいよ明日が公開初日。この感動がどこまで波及していくのか……、すごく楽しみだ♪
『メアリーとマックス』 [視ること]
おとといライヴ付き試写会で観た『アンヴィル!』もよかったのだけど、今日東京国際映画祭で観た人形アニメのこの作品に、とんでもない衝撃を受けてしまったので……、先にこちらの感想を。
オーストラリアのアダム・エリオット監督の作品で、サンダンスのオープニングを飾り、アヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリを獲ったというもの。トニ・コレット、フィリップ・シーモア・ホフマン(!)、エリック・バナらが声の出演、と、当初全然観る予定はなかったのに、ん?と注目して見れば見るほどおもしろそうで……。会場で遭遇した友人たちに教えてもらえたおかげでした。感謝!

メアリーはオーストラリアの郊外に住む8歳の女の子。目は泥水色で、おでこにはうんこ色のあざがある……、と、アニメらしからぬシビアな容貌の描写に冒頭からがつんとやられます。いじめられっ子の孤独な少女。窓の外で犬がじゃれあっているのを羨ましげに見ているけど、いやこれ、交尾しているんだって! 父親はティーバッグ工場に勤めていて、休みの日は鳥の剝製作りに没頭。母親は盗癖のあるアル中のヘビースモーカー。とても悪意に満ち満ちた世界です。いや、リアルってことか?
だけどメアリーはなかなかにクレバーな子で、イギリスの貴族との結婚を夢見たりもし、環境に負けない強さを持っている。大人のつくウソも鵜呑みにはせず(赤ちゃんはビアマグの底でできる、とか)、ニューヨークだったらどうなんだろう、と郵便局にあった住所録から適当に選んだマックスに手紙を書いてみる……。
メアリーが住むオーストラリアの街は、泥の色・茶色の、濁ってくすんだ色合いのところだったけど、大都会ニューヨークはさらに色味がなくなり、荒んだモノトーンの世界。まだツインタワーもそびえているけど、高層ビルが立ち並ぶ風景には人間味が全く感じられない。
手紙を受け取ったマックスは、44歳のうつ気味の肥満患者。メアリーとはチョコ好き同士としても気が合うってことになる。だんだん自閉症だということも分かっていくのだけど、とても繊細な人で、8歳の女の子からの質問に一生懸命答える微笑ましいシーンがあるかと思えば、忘れていたいやな思い出をほじくり出されて、汗を噴き出させたり……。とても危なっかしくて、ハラハラしてしまう。

そんなふたりは20年にもわたって文通を続けていきます。メアリーはもともとしっかりした女の子なので、マックスとの交流の中で精神医学に目覚めてその研究で名を上げ、理想の恋も手に入れ、と栄光も味わう。けれど、そこでマックスとの友情がどう変化するのか……。かなり厳しく深いものを突きつけてきます。混沌とした感情のうねりや、純粋さや病、人の個性とは?など、生きていて直面するありとあらゆる問題がここには込められていました。こんなにコンパクトでクールなのに、素晴らしいな、アニメって。
ボロボロになったふたりだけど、最後はメアリーがニューヨークにマックスを訪ねて行って……。美しいラストが待っています。うう~~、これはたまりません。
パートカラーのように毒々しい赤を利かせた色彩感覚のクールなこと、ブラックな笑い、物悲しさ、すべてが本当に素晴らしかった。
TIFFのワールドシネマって部門は、世界的に評価されてるのに日本公開の目処が立っていない作品を上映する場なんだよね。あー、これは本当にもったいないことだ。
とりあえず土曜日にもう一度上映されるので、見逃した人はぜひ! 私は優作さんオールナイト明けだけど、トライしようかなあ。
英語のサイト(予告編あります)http://maryandmax.com/
オーストラリアのアダム・エリオット監督の作品で、サンダンスのオープニングを飾り、アヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリを獲ったというもの。トニ・コレット、フィリップ・シーモア・ホフマン(!)、エリック・バナらが声の出演、と、当初全然観る予定はなかったのに、ん?と注目して見れば見るほどおもしろそうで……。会場で遭遇した友人たちに教えてもらえたおかげでした。感謝!

メアリーはオーストラリアの郊外に住む8歳の女の子。目は泥水色で、おでこにはうんこ色のあざがある……、と、アニメらしからぬシビアな容貌の描写に冒頭からがつんとやられます。いじめられっ子の孤独な少女。窓の外で犬がじゃれあっているのを羨ましげに見ているけど、いやこれ、交尾しているんだって! 父親はティーバッグ工場に勤めていて、休みの日は鳥の剝製作りに没頭。母親は盗癖のあるアル中のヘビースモーカー。とても悪意に満ち満ちた世界です。いや、リアルってことか?
だけどメアリーはなかなかにクレバーな子で、イギリスの貴族との結婚を夢見たりもし、環境に負けない強さを持っている。大人のつくウソも鵜呑みにはせず(赤ちゃんはビアマグの底でできる、とか)、ニューヨークだったらどうなんだろう、と郵便局にあった住所録から適当に選んだマックスに手紙を書いてみる……。
メアリーが住むオーストラリアの街は、泥の色・茶色の、濁ってくすんだ色合いのところだったけど、大都会ニューヨークはさらに色味がなくなり、荒んだモノトーンの世界。まだツインタワーもそびえているけど、高層ビルが立ち並ぶ風景には人間味が全く感じられない。
手紙を受け取ったマックスは、44歳のうつ気味の肥満患者。メアリーとはチョコ好き同士としても気が合うってことになる。だんだん自閉症だということも分かっていくのだけど、とても繊細な人で、8歳の女の子からの質問に一生懸命答える微笑ましいシーンがあるかと思えば、忘れていたいやな思い出をほじくり出されて、汗を噴き出させたり……。とても危なっかしくて、ハラハラしてしまう。
そんなふたりは20年にもわたって文通を続けていきます。メアリーはもともとしっかりした女の子なので、マックスとの交流の中で精神医学に目覚めてその研究で名を上げ、理想の恋も手に入れ、と栄光も味わう。けれど、そこでマックスとの友情がどう変化するのか……。かなり厳しく深いものを突きつけてきます。混沌とした感情のうねりや、純粋さや病、人の個性とは?など、生きていて直面するありとあらゆる問題がここには込められていました。こんなにコンパクトでクールなのに、素晴らしいな、アニメって。
ボロボロになったふたりだけど、最後はメアリーがニューヨークにマックスを訪ねて行って……。美しいラストが待っています。うう~~、これはたまりません。
パートカラーのように毒々しい赤を利かせた色彩感覚のクールなこと、ブラックな笑い、物悲しさ、すべてが本当に素晴らしかった。
TIFFのワールドシネマって部門は、世界的に評価されてるのに日本公開の目処が立っていない作品を上映する場なんだよね。あー、これは本当にもったいないことだ。
とりあえず土曜日にもう一度上映されるので、見逃した人はぜひ! 私は優作さんオールナイト明けだけど、トライしようかなあ。
英語のサイト(予告編あります)http://maryandmax.com/
『美代子阿佐ヶ谷気分』 [視ること]
7月4日、シアター・イメージフォーラムにて。
私が阿佐ヶ谷に引っ越してきたのと同じぐらいのタイミングで、この映画のことを知りました。安部愼一という漫画家のこともよくは知らなかったけど、70年代のアングラな雰囲気漂うタイトルだけで、強烈に惹き付けられるものがあった。
ということで、初日の初回、舞台挨拶を目指してイメージフォーラムへ。
『美代子阿佐ヶ谷気分』というのは、「ガロ」に掲載されていた安部の私漫画のタイトルですが、映画はそれを描いていた70年代初頭から現在に至るまでの安部と美代子の姿を追う伝記となっています。
監督は75年生まれの坪田義史。リアルタイムでは読んでいなかった若い監督が、70年代の気だるくも疾走していた空気に魅せられて撮ったという感じが伝わってきた。決してノスタルジックではなく、純粋に生きる生身の男と女が描かれているだけ。
福岡から、漫画家になるために恋人の美代子を連れて上京してきた安部は、彼女をモデルとして短編を描き出す。画が上手ではないからと、美代子を裸にして写真に撮り、彼女の親友とも関係を持ち、罪悪感から美代子にも浮気を強要し……。私生活を作品に描く私漫画から逆転し、生活の全てを芸術を生み出すため捧げるようになっていく。
創作の苦しみにどんどん引きずり込まれる安部に対し、美代子のしなやかさはどうだろう。傍目には男から酷い目に遭わされているように思えるのに、この人を支えようという信念でしていることで、結局主導を握っているのは美代子のほう。
本当に愛し合っているということなのかどうかは分からない。ふたりとも強烈なナルシストではあるのだろう。でも長い歳月を一緒に暮らした彼らの人生は、紛れもなく人の胸打つ物語になった……。
体当りで演技した、若い俳優たちが素晴らしいです。安部役の水橋研二も、美代子役の町田マリーも、騒然とした70年代にもがく若者そのものだった。舞台挨拶に現れた素顔の彼らは、見た目にはさらっとした癖のない現代の若者だったけど、出演したことであの時代の熱には大いに感化されたよう。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』も、出演した俳優や若い観客に驚きを与えた作品だったけれど、『美代子阿佐ヶ谷気分』もやはり若い人たちに観てほしいなと思いました。現代は、若者であっても、目の前の問題を何とかしてサバイバルしていくことに必死にならざるを得ない世知辛い時代。本当は思想とか芸術とか、自分の理想目指して突っ走ってしまうのが若者ってものだと思うから。
彼らを支える「ガロ」編集者役の佐野史郎は、舞台挨拶でもノリノリで当時の思い出を語るほど入れあげて演技してます。あと大御所では三上寛がとてもインパクトある怪演を……。若い監督が、よくこれだけのキャストを集めたなと。すごく熱意を感じます。
私が阿佐ヶ谷に引っ越してきたのと同じぐらいのタイミングで、この映画のことを知りました。安部愼一という漫画家のこともよくは知らなかったけど、70年代のアングラな雰囲気漂うタイトルだけで、強烈に惹き付けられるものがあった。
ということで、初日の初回、舞台挨拶を目指してイメージフォーラムへ。
『美代子阿佐ヶ谷気分』というのは、「ガロ」に掲載されていた安部の私漫画のタイトルですが、映画はそれを描いていた70年代初頭から現在に至るまでの安部と美代子の姿を追う伝記となっています。
監督は75年生まれの坪田義史。リアルタイムでは読んでいなかった若い監督が、70年代の気だるくも疾走していた空気に魅せられて撮ったという感じが伝わってきた。決してノスタルジックではなく、純粋に生きる生身の男と女が描かれているだけ。
福岡から、漫画家になるために恋人の美代子を連れて上京してきた安部は、彼女をモデルとして短編を描き出す。画が上手ではないからと、美代子を裸にして写真に撮り、彼女の親友とも関係を持ち、罪悪感から美代子にも浮気を強要し……。私生活を作品に描く私漫画から逆転し、生活の全てを芸術を生み出すため捧げるようになっていく。
創作の苦しみにどんどん引きずり込まれる安部に対し、美代子のしなやかさはどうだろう。傍目には男から酷い目に遭わされているように思えるのに、この人を支えようという信念でしていることで、結局主導を握っているのは美代子のほう。
本当に愛し合っているということなのかどうかは分からない。ふたりとも強烈なナルシストではあるのだろう。でも長い歳月を一緒に暮らした彼らの人生は、紛れもなく人の胸打つ物語になった……。
体当りで演技した、若い俳優たちが素晴らしいです。安部役の水橋研二も、美代子役の町田マリーも、騒然とした70年代にもがく若者そのものだった。舞台挨拶に現れた素顔の彼らは、見た目にはさらっとした癖のない現代の若者だったけど、出演したことであの時代の熱には大いに感化されたよう。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』も、出演した俳優や若い観客に驚きを与えた作品だったけれど、『美代子阿佐ヶ谷気分』もやはり若い人たちに観てほしいなと思いました。現代は、若者であっても、目の前の問題を何とかしてサバイバルしていくことに必死にならざるを得ない世知辛い時代。本当は思想とか芸術とか、自分の理想目指して突っ走ってしまうのが若者ってものだと思うから。
彼らを支える「ガロ」編集者役の佐野史郎は、舞台挨拶でもノリノリで当時の思い出を語るほど入れあげて演技してます。あと大御所では三上寛がとてもインパクトある怪演を……。若い監督が、よくこれだけのキャストを集めたなと。すごく熱意を感じます。
『それでも恋するバルセロナ』 [視ること]
6月10日、ニッショーホールにて。
ペネロペ・クルスにアカデミー助演女優賞をもたらしたウディ・アレンの新作。彼女を始めとする魅惑的な俳優4人が、バルセロナという魔性の街を舞台に、それぞれの恋愛観をさらけ出す。ウディの古巣・NYが舞台の『セックス・アンド・ザ・シティ』を思い起こさせもする設定だ。
洒落た恋愛処世訓を登場人物たちに語らせ、ブランド物の代わりにアートを散りばめるスタイリッシュさとスノッブさは、NYを離れても彼が永遠のニューヨーカーであると再確認させてくれるもの。でも『SATC』とは決定的な違いがある。これもまた大いにウディらしいことだが、主人公たちはまだ年若く、恋愛にも実はうぶだという点である。2人の対照的なアメリカ人女性にバカンス先で濃厚な恋愛を体験させ、そのことで彼女たちの内面にどんな化学変化が引き起こされるか……を、観察するのだ。ウディのミューズ、スカーレット・ヨハンソンも起用し、彼の筆は冴える。
クリスティーナは自己実現に邁進する理想主義者。ヴィッキーは冒険を嫌い堅実に生きる現実主義者。正反対の性格ゆえに恋愛でバッティングすることのなかった親友同士が、異国で情熱的な画家の誘惑に遭い、それぞれ翻弄されることになる。
意外なことにまずはお堅いヴィッキーのほうがこのアヴァンチュールに身を焦がす。在学中にもうウォール街で働く婚約者を持ち、安定した将来が待ち受けるばかりだった彼女が、初めて本能のままに男性を愛したことで人生に迷いを抱くのだ。
一方でこの恋愛競争に勝つのは奔放なクリスティーナ。でも彼女とて恋愛至上主義者では決してない。「芸術家の恋人」の座を夢見る頭でっかちな小娘だ。画家の元妻という予想外の強敵が現れるものの、彼女を含めたユニークな三角関係がかえってクリスティーナを刺激する。しかし3人の間に均衡が生まれると、彼女はまたそれを壊さずにはいられなくて……。スカーレットが、複雑な役を魅力満開で好演する。
恋愛の悦びと残酷さに目覚め、同時に大きな喪失感も抱えながら、ヴィッキーとクリスティーナはバカンスを終える。放心した表情で空港のエスカレーターを下っていくラストがなんともほろ苦い。
原題は“Vicky Cristina Barcelona”。2人の旅行者の名前と都市名とが同格として扱われるのがおもしろい。異形の街・バルセロナでのひと夏の体験は彼女らに大きな変化をもたらしたが、所詮アヴァンチュールの相手には記名性など必要ないということか。とは言えペネロペとハビエル・バルデムの破滅型カップルは、バルセロナの喧騒を擬人化したかのように強烈で印象深く、やはりこれでタイトルに名を連ねているということになるのだろう。
ペネロペ・クルスにアカデミー助演女優賞をもたらしたウディ・アレンの新作。彼女を始めとする魅惑的な俳優4人が、バルセロナという魔性の街を舞台に、それぞれの恋愛観をさらけ出す。ウディの古巣・NYが舞台の『セックス・アンド・ザ・シティ』を思い起こさせもする設定だ。
洒落た恋愛処世訓を登場人物たちに語らせ、ブランド物の代わりにアートを散りばめるスタイリッシュさとスノッブさは、NYを離れても彼が永遠のニューヨーカーであると再確認させてくれるもの。でも『SATC』とは決定的な違いがある。これもまた大いにウディらしいことだが、主人公たちはまだ年若く、恋愛にも実はうぶだという点である。2人の対照的なアメリカ人女性にバカンス先で濃厚な恋愛を体験させ、そのことで彼女たちの内面にどんな化学変化が引き起こされるか……を、観察するのだ。ウディのミューズ、スカーレット・ヨハンソンも起用し、彼の筆は冴える。
クリスティーナは自己実現に邁進する理想主義者。ヴィッキーは冒険を嫌い堅実に生きる現実主義者。正反対の性格ゆえに恋愛でバッティングすることのなかった親友同士が、異国で情熱的な画家の誘惑に遭い、それぞれ翻弄されることになる。
意外なことにまずはお堅いヴィッキーのほうがこのアヴァンチュールに身を焦がす。在学中にもうウォール街で働く婚約者を持ち、安定した将来が待ち受けるばかりだった彼女が、初めて本能のままに男性を愛したことで人生に迷いを抱くのだ。
一方でこの恋愛競争に勝つのは奔放なクリスティーナ。でも彼女とて恋愛至上主義者では決してない。「芸術家の恋人」の座を夢見る頭でっかちな小娘だ。画家の元妻という予想外の強敵が現れるものの、彼女を含めたユニークな三角関係がかえってクリスティーナを刺激する。しかし3人の間に均衡が生まれると、彼女はまたそれを壊さずにはいられなくて……。スカーレットが、複雑な役を魅力満開で好演する。
恋愛の悦びと残酷さに目覚め、同時に大きな喪失感も抱えながら、ヴィッキーとクリスティーナはバカンスを終える。放心した表情で空港のエスカレーターを下っていくラストがなんともほろ苦い。
原題は“Vicky Cristina Barcelona”。2人の旅行者の名前と都市名とが同格として扱われるのがおもしろい。異形の街・バルセロナでのひと夏の体験は彼女らに大きな変化をもたらしたが、所詮アヴァンチュールの相手には記名性など必要ないということか。とは言えペネロペとハビエル・バルデムの破滅型カップルは、バルセロナの喧騒を擬人化したかのように強烈で印象深く、やはりこれでタイトルに名を連ねているということになるのだろう。
レディオキャロライン [聴くこと]
5日はロフトで、活動を休止するレディオキャロラインのひとまずのラスト・ライヴ。
デスパレートな漢たち(ツアー・タイトルが“DESPERATE 7 ROCK'N'ROLL NIGHTS”)による、最高のロッケンロールショウが繰り広げられました。本当にカッコイイ。ビートの効いた骨太なロック。タイトだけどめいっぱいの爆音に痺れる。これが当分の聴き納めとなるなんて……。
と、詰めかけたファンにとっては活動休止は悲しいことのはずなのに、まったく湿っぽくないのもよかった。ギョガンやミッシェルという偉大な元バンドの解散を乗り越えて大人になったのかなとも思うけど……。でもその2バンドをも凌駕するような辣腕揃い、演奏でもパフォーマンスでもノせてくるから、思いっきり楽しまなきゃソンというもの!
盛り上がって縦に横に揺れ、演奏の合間にはメンバーの名を叫ぶ声が絶えず上がる。そんなフロアの様子にパッチも「お前ら最高だな!」と繰り返して、本当に楽しそう。男も女もこんなヤサグレロックにメロメロ。
ウエノのぶっといベースも存在感たっぷりだし(デカイし!)、真也のビート・ドラムが最高。この手数の多さ、キース・ムーンみたいだね。
真也はヴォーカルもいい味。パッチのしゃがれ声のブルージィな歌に酔い痴れてると、そこにピリッと、シャープで血管浮き出そうに張り詰めた真也ヴォーカル曲が差し挟まれる。これもレディキャロのライヴのおもしろさ。
そんな感じで突っ走って突っ走って、3回のアンコールに応えて2時間半。完全燃焼したけど、好きなバンドがまたひとついなくなるのは寂しいなあ……。
ウエノはエルレガーデン細美の新バンドに参加。
だからレディキャロが活動休止なんだけどさ。
the HIATUSはまだ聴いていないので何とも言えませんが、ウエノにはロックンロールしてほしいよなあ。はよ帰ってこーい。
そのほか最近観た映画など。
爆音映画祭では大友良英の『KIKOE』と『狂い咲きサンダーロード』。
『KIKOE』はとてもおもしろかった。大友さんや彼にまつわる人の、ライヴ、パフォーマンス、語りが細切れでコラージュ。同じことを二度とはやらない、クレイジーで挑戦的なライヴに夢中で見入りました。
そのあとの大友さんのライヴも……、こんな映画観た後では恥ずかしくてどう始めたらいいか……、なんて照れ笑いしてるかと思うと、一瞬でガーッとギターを掻き鳴らし出した。映画のまんまって感じ。アーティストだなあ。演ったのは歌モノで、「自殺をするな」みたいなメッセージソング歌ってました。
『狂い咲き~』は、これを上映するための爆音映画祭だろう!ぐらいなものですよ。爆走音に日本パンクの名曲。最強のパンク&サイバーパンク映画だ。
ダサイことを敵と憎む山田辰夫演じるジンの魂は、身体がボロボロになっても不滅。ラストシーンが美し過ぎる……。
あと、ラピュタ阿佐ヶ谷の「昭和警察物語 銀幕に吠えろ」という特集上映で、『一万三千人の容疑者』。我ながら渋い。
戦後最大の誘拐事件「吉展ちゃん事件」を、ほぼ事実どおりに再現したドキュメンタリー・ドラマ。捜査のミスで犯人捕獲に失敗し、その後も真犯人に近付きながらも決め手がなく逮捕に漕ぎ着けない。刑事たちの焦りと苦悩がジワジワと伝わります。
犯人役の井川比佐志が怪演。吉展ちゃんの母と犯人の母の強さにも胸を打たれました。
あとWOWOWで世界環境デーに放映されたリュック・ベッソン製作の『HOME』も、驚異の鳥瞰映像で環境問題について深く考えさせる作品だった。ここ50年での環境破壊と、貧富の差の広がりに愕然とさせられる。ひとりひとりが今すぐに意識を変えないと取り返しの付かないことになる!
劇場での上映もWOWOWのも5日の1回きりなんですが、DVDが発売になっているので、観られなかったかたはぜひ。私も録画はしたけどWOWOWのは90分のTV版で、DVDは120分版とのことだから、それも観なきゃあなあ。
どうせならブルーレイで出てほしいけど……。それぐらい素晴らしい。悲鳴を上げている地球の姿を、しっかり心に刻まなければ。
デスパレートな漢たち(ツアー・タイトルが“DESPERATE 7 ROCK'N'ROLL NIGHTS”)による、最高のロッケンロールショウが繰り広げられました。本当にカッコイイ。ビートの効いた骨太なロック。タイトだけどめいっぱいの爆音に痺れる。これが当分の聴き納めとなるなんて……。
と、詰めかけたファンにとっては活動休止は悲しいことのはずなのに、まったく湿っぽくないのもよかった。ギョガンやミッシェルという偉大な元バンドの解散を乗り越えて大人になったのかなとも思うけど……。でもその2バンドをも凌駕するような辣腕揃い、演奏でもパフォーマンスでもノせてくるから、思いっきり楽しまなきゃソンというもの!
盛り上がって縦に横に揺れ、演奏の合間にはメンバーの名を叫ぶ声が絶えず上がる。そんなフロアの様子にパッチも「お前ら最高だな!」と繰り返して、本当に楽しそう。男も女もこんなヤサグレロックにメロメロ。
ウエノのぶっといベースも存在感たっぷりだし(デカイし!)、真也のビート・ドラムが最高。この手数の多さ、キース・ムーンみたいだね。
真也はヴォーカルもいい味。パッチのしゃがれ声のブルージィな歌に酔い痴れてると、そこにピリッと、シャープで血管浮き出そうに張り詰めた真也ヴォーカル曲が差し挟まれる。これもレディキャロのライヴのおもしろさ。
そんな感じで突っ走って突っ走って、3回のアンコールに応えて2時間半。完全燃焼したけど、好きなバンドがまたひとついなくなるのは寂しいなあ……。
ウエノはエルレガーデン細美の新バンドに参加。
だからレディキャロが活動休止なんだけどさ。
the HIATUSはまだ聴いていないので何とも言えませんが、ウエノにはロックンロールしてほしいよなあ。はよ帰ってこーい。
そのほか最近観た映画など。
爆音映画祭では大友良英の『KIKOE』と『狂い咲きサンダーロード』。
『KIKOE』はとてもおもしろかった。大友さんや彼にまつわる人の、ライヴ、パフォーマンス、語りが細切れでコラージュ。同じことを二度とはやらない、クレイジーで挑戦的なライヴに夢中で見入りました。
そのあとの大友さんのライヴも……、こんな映画観た後では恥ずかしくてどう始めたらいいか……、なんて照れ笑いしてるかと思うと、一瞬でガーッとギターを掻き鳴らし出した。映画のまんまって感じ。アーティストだなあ。演ったのは歌モノで、「自殺をするな」みたいなメッセージソング歌ってました。
『狂い咲き~』は、これを上映するための爆音映画祭だろう!ぐらいなものですよ。爆走音に日本パンクの名曲。最強のパンク&サイバーパンク映画だ。
ダサイことを敵と憎む山田辰夫演じるジンの魂は、身体がボロボロになっても不滅。ラストシーンが美し過ぎる……。
あと、ラピュタ阿佐ヶ谷の「昭和警察物語 銀幕に吠えろ」という特集上映で、『一万三千人の容疑者』。我ながら渋い。
戦後最大の誘拐事件「吉展ちゃん事件」を、ほぼ事実どおりに再現したドキュメンタリー・ドラマ。捜査のミスで犯人捕獲に失敗し、その後も真犯人に近付きながらも決め手がなく逮捕に漕ぎ着けない。刑事たちの焦りと苦悩がジワジワと伝わります。
犯人役の井川比佐志が怪演。吉展ちゃんの母と犯人の母の強さにも胸を打たれました。
あとWOWOWで世界環境デーに放映されたリュック・ベッソン製作の『HOME』も、驚異の鳥瞰映像で環境問題について深く考えさせる作品だった。ここ50年での環境破壊と、貧富の差の広がりに愕然とさせられる。ひとりひとりが今すぐに意識を変えないと取り返しの付かないことになる!
劇場での上映もWOWOWのも5日の1回きりなんですが、DVDが発売になっているので、観られなかったかたはぜひ。私も録画はしたけどWOWOWのは90分のTV版で、DVDは120分版とのことだから、それも観なきゃあなあ。
どうせならブルーレイで出てほしいけど……。それぐらい素晴らしい。悲鳴を上げている地球の姿を、しっかり心に刻まなければ。
天罰なんかクソ喰らえっ! [聴くこと]
うは~~~楽しかった!
5月30日、下北沢ベースメント・バーにてM.J.Q企画の“天罰なんかクソ喰らえっ!”。対バンは原爆オナニーズ!! 心躍る顔合わせ、これは盛り上がらないわけがないのですよ。
まずは原オナ、フロアの前方では気合入りまくりなパンクスが大騒ぎで、タイロウは彼らにハイタッチしてはやれ跳べー!やらサークルモッシュ!やら指示出して煽る。いつもどおりのアツくて楽しい最高な太っ腹パンク!
客の密度はそう高くないのに、うまいこと何度もステージダイブを成功させてる猛者がいて感心してしまったのだが、それに釣られてシンジがギター抱えてダイブしてきた!!誰もいないところに……!ひえっ。
頭から落ちて、自力で立てなくなって引きずられていった。目の前で惨事発生!? でも心配をよそにってな感じで、バツ悪そーに戻ってきました。すごいw
ま~とにかく滅茶苦茶で強烈でありながらすごく一体感感じるあったかいライヴでした。若いバンドでは太刀打ちできんわなー。カッコイイなータイロウ。
こんな燃えたぎったライヴの後じゃ分が悪いか、と思ったけど、M.J.Qの3人だけのアコースティック・パンクも超弩級!
キュウちゃんの鋭く重いドラムで始まったのは「虫」。スモークが噴出すステージで、ミチロウの歌はとっても妖しい。でも原オナでの興奮が残って客席もバンドもいつになくノリがいいカンジ。
続くは「水銀」。お~もうこれM.J.Qじゃ定番曲だ。美しくって軽やかで、ため息出るぐらい大好き。
さあ、セットリストもミチロウのトークも冴えまくりですよー。
「豚インフルエンザはもうやめてほしいですね……、豚インフルエンザって童貞しかかからないんだよなあ」あはは、高校生ね。そして曲は「オデッセイ・2009・SEX」ですよ~最高。
そのあとも「猟奇ハンター」、「溺愛」、「温泉ファック」などなど、緩急付けながらも盛り上がるナンバー揃い。キュウちゃんのピリッとしたドラムも、久土さんのぐっちゃぐっちゃな音とアクションもたまりません。
ラスト、サイレン鳴らしての「メシ喰わせろ」で客席は興奮の坩堝w ミチロウもときどき笑いを浮かべちゃいながらどんどん不気味に高揚していった。客層がよいがゆえのマジックがあったね。原オナサンキュー。
いや、本当にすごかったのはアンコール! 原オナのメンバーも出てきたよ。今日のヒーロー、シンジもケロリと……w
そしてエディのベースが加わり、超レア曲揃いのドパンク祭り!
また豚インフルネタで「豚に真珠」! そして「バキューム」になんと「撲殺」!!!
うは~~!これはイカレルて!めちゃくちゃカッコイイ!
しかもこんなミチロウに超かぶり付きになっちゃったし。。。メロメロざんす。
何なんじゃ今日は……と夢みたいな気持でミチロウさんをお見送りし、続いて去ろうとするキュウちゃんにもきゃーんと手を振ってたら、ポーンとスティックを投げてくれ、なんとなんと、この私がキャッチしちゃったの~~~ん
うっれしい。最高だった演奏の刻み目付いたスティックが……。 お宝です。
5月30日、下北沢ベースメント・バーにてM.J.Q企画の“天罰なんかクソ喰らえっ!”。対バンは原爆オナニーズ!! 心躍る顔合わせ、これは盛り上がらないわけがないのですよ。
まずは原オナ、フロアの前方では気合入りまくりなパンクスが大騒ぎで、タイロウは彼らにハイタッチしてはやれ跳べー!やらサークルモッシュ!やら指示出して煽る。いつもどおりのアツくて楽しい最高な太っ腹パンク!
客の密度はそう高くないのに、うまいこと何度もステージダイブを成功させてる猛者がいて感心してしまったのだが、それに釣られてシンジがギター抱えてダイブしてきた!!誰もいないところに……!ひえっ。
頭から落ちて、自力で立てなくなって引きずられていった。目の前で惨事発生!? でも心配をよそにってな感じで、バツ悪そーに戻ってきました。すごいw
ま~とにかく滅茶苦茶で強烈でありながらすごく一体感感じるあったかいライヴでした。若いバンドでは太刀打ちできんわなー。カッコイイなータイロウ。
こんな燃えたぎったライヴの後じゃ分が悪いか、と思ったけど、M.J.Qの3人だけのアコースティック・パンクも超弩級!
キュウちゃんの鋭く重いドラムで始まったのは「虫」。スモークが噴出すステージで、ミチロウの歌はとっても妖しい。でも原オナでの興奮が残って客席もバンドもいつになくノリがいいカンジ。
続くは「水銀」。お~もうこれM.J.Qじゃ定番曲だ。美しくって軽やかで、ため息出るぐらい大好き。
さあ、セットリストもミチロウのトークも冴えまくりですよー。
「豚インフルエンザはもうやめてほしいですね……、豚インフルエンザって童貞しかかからないんだよなあ」あはは、高校生ね。そして曲は「オデッセイ・2009・SEX」ですよ~最高。
そのあとも「猟奇ハンター」、「溺愛」、「温泉ファック」などなど、緩急付けながらも盛り上がるナンバー揃い。キュウちゃんのピリッとしたドラムも、久土さんのぐっちゃぐっちゃな音とアクションもたまりません。
ラスト、サイレン鳴らしての「メシ喰わせろ」で客席は興奮の坩堝w ミチロウもときどき笑いを浮かべちゃいながらどんどん不気味に高揚していった。客層がよいがゆえのマジックがあったね。原オナサンキュー。
いや、本当にすごかったのはアンコール! 原オナのメンバーも出てきたよ。今日のヒーロー、シンジもケロリと……w
そしてエディのベースが加わり、超レア曲揃いのドパンク祭り!
また豚インフルネタで「豚に真珠」! そして「バキューム」になんと「撲殺」!!!
うは~~!これはイカレルて!めちゃくちゃカッコイイ!
しかもこんなミチロウに超かぶり付きになっちゃったし。。。メロメロざんす。
何なんじゃ今日は……と夢みたいな気持でミチロウさんをお見送りし、続いて去ろうとするキュウちゃんにもきゃーんと手を振ってたら、ポーンとスティックを投げてくれ、なんとなんと、この私がキャッチしちゃったの~~~ん
浅井健一 [聴くこと]
この夏は“浅井健一”として活動することになっている浅井健一w
今夜は急遽決定したファンクラブ会員限定ライヴが渋谷duoであったのでした。
元々は全て着席形式のはずが、応募が多くて立見を設け、かつ抽選制になってしまった。私は辛うじて立見に当選。左横の、ステージが見やすい位置に付けたので、これで満足でしたが。
まあともあれ、敢えてスタンディングにしなかったのも納得の、ムードある新ユニットでした。
演った曲はウッヒャ~の超サプライズ揃いでしたけどね。
ソロ名義だけど、ステージにはマイクスタンド3本。おお、なんとギター2人です。
メンバーは、サポートギターにex.プレイグス深沼元昭、ベースにシアターブルック中條卓、ドラムは椎野恭一、そしてヴァイオリンに岡村美央。うお~、新顔ふたりがシブイっす。
ベンジーを中央に、ベースとギターとが一直線に並んで終始淡々と演奏していて、スポットもベンジー以外に当たらないので、ほとんど黒子のような佇まいながら、ツワモノでカッコよかったよ~~。
メンバー紹介のときにようやく彼だと分かった深沼さんが嬉しかった。プレイグスは好きだったのにライヴ見たことがなかったので。
中條さんの指弾きもすごい! あーこのメンバーでしばらくはやるんだね。楽しみ。
さて、そして問題のセット。一曲目はJUDEのスローで心に沁みるナンバー「新しい風」。ドラマチックな幕開けです。次に来たのは、うわ~~、AJICOの「美しいこと」ですよ~~~! 嬉し懐かし、まさか今ごろ生で聴けるなんて。感涙。
しかしそんなのは序の口だった。その次に「ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車」! 普通のライヴでやったら狂喜となるナンバーだけど、このバンドだとアツくなり過ぎず。ヴァイオリンも効いてるし、別ヴァージョンとしてみんなじっくり聴き入る感じで味わってる。なんて贅沢なんでしょう。
そんな感じでブランキーからのベンジーが辿った各バンドの曲を満遍なく網羅して進むスペシャルライヴ。別バンドを始めるたびに埋もれてしまっていた、割とレア目の曲をわざわざ選んでくれているようで、曲が始まるたびいちいち胸が躍っていましたが、ちょっとちょっと、まさかこれまで聴けるなんて!「ライラック」!!
ブランキーの曲の中で、いちばん好きな曲なのです。私だけじゃなく、ずっとクールめだった客席も、これには沸いたよ。愛されナンバー。冬の曲なのに、今やってくれるなんて。でも本当はライラックって5月の花だもんね。懐かしいブランキーワールドだ。胸キューン。
新曲も2曲演りました。「フレンドリー」と紹介された曲は、その名の通りアコースティックな優しい手触りの曲。フォークっぽくて、ヴァイオリンの響きはアイリッシュな感じもあって、すごくあったかい。
ともあれこの新バンド、滋味たっぷりで、ベンジーが今までやってきたのとは違う感じなのです。
6月にある、本当のお披露目ライヴの会場も人見記念講堂だし。またしっとり聴かせてくれるんだろうなあ。楽しみ~~。そしてフジも!
ともかく、今夜は本当に素敵なプレゼントもらった気分でした。よかったなあ……。
セットリスト↓
01.新しい風
02.美しいこと
03.ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車
04.チェリオメアリー
05.Rush
06.サンディ
07.ライラック
08.Friendly
09.哲学
10.新曲
11.Spring Snow
12.明日
13.マッドサーファー
14.Diduri Didura
15.危険すぎる
16.ロバの馬車
17.ディズニーランドへ
18.Pola Rola
-Encore-
19.ペピン
20.ボニー
21.Johnny Hell
今夜は急遽決定したファンクラブ会員限定ライヴが渋谷duoであったのでした。
元々は全て着席形式のはずが、応募が多くて立見を設け、かつ抽選制になってしまった。私は辛うじて立見に当選。左横の、ステージが見やすい位置に付けたので、これで満足でしたが。
まあともあれ、敢えてスタンディングにしなかったのも納得の、ムードある新ユニットでした。
演った曲はウッヒャ~の超サプライズ揃いでしたけどね。
ソロ名義だけど、ステージにはマイクスタンド3本。おお、なんとギター2人です。
メンバーは、サポートギターにex.プレイグス深沼元昭、ベースにシアターブルック中條卓、ドラムは椎野恭一、そしてヴァイオリンに岡村美央。うお~、新顔ふたりがシブイっす。
ベンジーを中央に、ベースとギターとが一直線に並んで終始淡々と演奏していて、スポットもベンジー以外に当たらないので、ほとんど黒子のような佇まいながら、ツワモノでカッコよかったよ~~。
メンバー紹介のときにようやく彼だと分かった深沼さんが嬉しかった。プレイグスは好きだったのにライヴ見たことがなかったので。
中條さんの指弾きもすごい! あーこのメンバーでしばらくはやるんだね。楽しみ。
さて、そして問題のセット。一曲目はJUDEのスローで心に沁みるナンバー「新しい風」。ドラマチックな幕開けです。次に来たのは、うわ~~、AJICOの「美しいこと」ですよ~~~! 嬉し懐かし、まさか今ごろ生で聴けるなんて。感涙。
しかしそんなのは序の口だった。その次に「ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車」! 普通のライヴでやったら狂喜となるナンバーだけど、このバンドだとアツくなり過ぎず。ヴァイオリンも効いてるし、別ヴァージョンとしてみんなじっくり聴き入る感じで味わってる。なんて贅沢なんでしょう。
そんな感じでブランキーからのベンジーが辿った各バンドの曲を満遍なく網羅して進むスペシャルライヴ。別バンドを始めるたびに埋もれてしまっていた、割とレア目の曲をわざわざ選んでくれているようで、曲が始まるたびいちいち胸が躍っていましたが、ちょっとちょっと、まさかこれまで聴けるなんて!「ライラック」!!
ブランキーの曲の中で、いちばん好きな曲なのです。私だけじゃなく、ずっとクールめだった客席も、これには沸いたよ。愛されナンバー。冬の曲なのに、今やってくれるなんて。でも本当はライラックって5月の花だもんね。懐かしいブランキーワールドだ。胸キューン。
新曲も2曲演りました。「フレンドリー」と紹介された曲は、その名の通りアコースティックな優しい手触りの曲。フォークっぽくて、ヴァイオリンの響きはアイリッシュな感じもあって、すごくあったかい。
ともあれこの新バンド、滋味たっぷりで、ベンジーが今までやってきたのとは違う感じなのです。
6月にある、本当のお披露目ライヴの会場も人見記念講堂だし。またしっとり聴かせてくれるんだろうなあ。楽しみ~~。そしてフジも!
ともかく、今夜は本当に素敵なプレゼントもらった気分でした。よかったなあ……。
セットリスト↓
01.新しい風
02.美しいこと
03.ヘッドライトのわくのとれかたがいかしてる車
04.チェリオメアリー
05.Rush
06.サンディ
07.ライラック
08.Friendly
09.哲学
10.新曲
11.Spring Snow
12.明日
13.マッドサーファー
14.Diduri Didura
15.危険すぎる
16.ロバの馬車
17.ディズニーランドへ
18.Pola Rola
-Encore-
19.ペピン
20.ボニー
21.Johnny Hell
フリクション、RaidWorld Festival [聴くこと]
先週見たものメモ。
12日(火)はフリクション@クアトロ。レックと達也ふたりによる新生フリクションとしての活動ももう3年になるけど、今回は初めての作品『DEEPERS』を引提げてのツアー。新曲はもちろん、今まであまり演らなかった代表曲もズラリ揃えての充実セットには、レックのあらたまった気持が表れていたのかもなと思いました。ここからが本当のスタートなんだもんね。
演奏も気合入ってた。最近のフリクションは、原点回帰のロックンロールバンドになってきている気がしていたけど、いややはりそんなシンプルなものじゃなく、むしろ複雑怪奇。レックのベースは重く濁り、まわりの空気がザラザラした異物感に満ちてくのを感じる。「フリクション」って、レックが出す音そのものの固有名詞と言っていいんじゃないかと思うね。ホント唯一無二の音だよ。
野生児・達也のドラムは突っ走り、曲の合間のふたりのやり取りはとっても楽しげだけど、それでこんな奇妙で挑発的な音を放ってくるのがやはり圧巻です。
「kagayaki」「I can tell」「100年」など名曲たくさん演ったのが嬉しく、大盛り上がりの客を見てレックが「……興奮の坩堝」とボソッと言ったのもおもしろかったw
さー次はフジ! 前がマーキーだったから今度は外のステージだよね。暴れてほしい!
16日(土)はリキッドで、インスト/ポストロックのバンド4組が出るイベント“RaidWorld Festival”へ。フェスと付くからには粒よりのメンツ揃い♪ そして長丁場でした。
トップに登場のworld's end girlfriendが絶品。ツイン・ドラムにツイン・ギター、サックスというバンドっぽい編成で、多様な彩りに溢れていつつ、完成された世界観。息を呑みました。
LITEを挟みお目当てのPELICAN。これもまったく一筋縄では行かない音楽。美しいメロディを幾重にも重ねて幽玄の世界を見せるかと思うと強烈な地鳴りで打ち砕く。そして何よりもパフォーマンスが!!! ギターとベース、3人のフロントが、気持ち悪いリズムに乗せてひたすらヘッドバンキング! 今日ってこういう汗臭いイベントでしたっけ~!?
そんな仰々しさ持ちつつもドラマティックでやはりよい。途中からギターをボウイング奏法で弾いたりと、なかなか見せるライヴで楽しめた。たっぷり1時間ほど、メイン・アクトと言っていいヴォリュームで満足♪
……しかしこの後にMONOというのはつらいっしょ!! 楽しみにしていたのだけど、こんなグダグダな時間にこんな端正なものを……。静寂から轟音へのスイッチはすごいが、身じろぎするのもためらわれるからさあ。足がホントどうにかなりそうでした。
18時スタートで終了は22時半。4時間半も立ちどおしでインスト聴いているのってかなりのものでした。
しかもソールド・アウトの満杯状態。入場前に出くわしたデンスケさんとは、ライヴ中会うことがなかった。
んで終わってから会うなり、「長かった~、フジにいるような気がしてきたよ~」と言ってきて、私もまさに同じことを考えていたのでおかしかった。疲労と退屈もフェス=フジの味ですよね~~。
って、何でもフジに結び付けてますな、私
映画は『グラン・トリノ』に心酔しました。思い出すだけで泣けてくる~~。
イーストウッドの集大成。すごいよなあ。彼にしかできない。78歳の男が主人公で、老人映画ではなく、男のロマン&友情のドラマにして現代社会の問題も描き、アクション映画でもあるんだよ!
これで俳優業からは引退と言うけれど、彼が演じられる役というのももはやそうそうないから……。だけどやり得ることをすべて注ぎ込んでできた偶然の産物みたいな異様なパワー持つ作品。置き土産がこんな傑作とは。
イーストウッド特集の「ユリイカ」がおもしろい。私もこれはちゃんとレビュー書こうと思います。
12日(火)はフリクション@クアトロ。レックと達也ふたりによる新生フリクションとしての活動ももう3年になるけど、今回は初めての作品『DEEPERS』を引提げてのツアー。新曲はもちろん、今まであまり演らなかった代表曲もズラリ揃えての充実セットには、レックのあらたまった気持が表れていたのかもなと思いました。ここからが本当のスタートなんだもんね。
演奏も気合入ってた。最近のフリクションは、原点回帰のロックンロールバンドになってきている気がしていたけど、いややはりそんなシンプルなものじゃなく、むしろ複雑怪奇。レックのベースは重く濁り、まわりの空気がザラザラした異物感に満ちてくのを感じる。「フリクション」って、レックが出す音そのものの固有名詞と言っていいんじゃないかと思うね。ホント唯一無二の音だよ。
野生児・達也のドラムは突っ走り、曲の合間のふたりのやり取りはとっても楽しげだけど、それでこんな奇妙で挑発的な音を放ってくるのがやはり圧巻です。
「kagayaki」「I can tell」「100年」など名曲たくさん演ったのが嬉しく、大盛り上がりの客を見てレックが「……興奮の坩堝」とボソッと言ったのもおもしろかったw
さー次はフジ! 前がマーキーだったから今度は外のステージだよね。暴れてほしい!
16日(土)はリキッドで、インスト/ポストロックのバンド4組が出るイベント“RaidWorld Festival”へ。フェスと付くからには粒よりのメンツ揃い♪ そして長丁場でした。
トップに登場のworld's end girlfriendが絶品。ツイン・ドラムにツイン・ギター、サックスというバンドっぽい編成で、多様な彩りに溢れていつつ、完成された世界観。息を呑みました。
LITEを挟みお目当てのPELICAN。これもまったく一筋縄では行かない音楽。美しいメロディを幾重にも重ねて幽玄の世界を見せるかと思うと強烈な地鳴りで打ち砕く。そして何よりもパフォーマンスが!!! ギターとベース、3人のフロントが、気持ち悪いリズムに乗せてひたすらヘッドバンキング! 今日ってこういう汗臭いイベントでしたっけ~!?
そんな仰々しさ持ちつつもドラマティックでやはりよい。途中からギターをボウイング奏法で弾いたりと、なかなか見せるライヴで楽しめた。たっぷり1時間ほど、メイン・アクトと言っていいヴォリュームで満足♪
……しかしこの後にMONOというのはつらいっしょ!! 楽しみにしていたのだけど、こんなグダグダな時間にこんな端正なものを……。静寂から轟音へのスイッチはすごいが、身じろぎするのもためらわれるからさあ。足がホントどうにかなりそうでした。
18時スタートで終了は22時半。4時間半も立ちどおしでインスト聴いているのってかなりのものでした。
しかもソールド・アウトの満杯状態。入場前に出くわしたデンスケさんとは、ライヴ中会うことがなかった。
んで終わってから会うなり、「長かった~、フジにいるような気がしてきたよ~」と言ってきて、私もまさに同じことを考えていたのでおかしかった。疲労と退屈もフェス=フジの味ですよね~~。
って、何でもフジに結び付けてますな、私
映画は『グラン・トリノ』に心酔しました。思い出すだけで泣けてくる~~。
イーストウッドの集大成。すごいよなあ。彼にしかできない。78歳の男が主人公で、老人映画ではなく、男のロマン&友情のドラマにして現代社会の問題も描き、アクション映画でもあるんだよ!
これで俳優業からは引退と言うけれど、彼が演じられる役というのももはやそうそうないから……。だけどやり得ることをすべて注ぎ込んでできた偶然の産物みたいな異様なパワー持つ作品。置き土産がこんな傑作とは。
イーストウッド特集の「ユリイカ」がおもしろい。私もこれはちゃんとレビュー書こうと思います。
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